トップページレースハイライト特集クローズアップ連載サイトマップ


佐賀記念〜エンプレス杯(第21回)

佐賀記念JpnIII

 ラッシュストリートは、好スタートからいいペースで逃げました。枠順が内だったこともあって、最初から逃げるつもりで行ったと思います。1周目の3〜4コーナーで競りかけてくる馬でもいれば厳しくなったと思いますが、終始楽なペースで逃げることができました。首をグッと前に出して、気持ちよさそうに走っています。向正面でフサイチピージェイとロールオブザダイスが仕掛けてきましたが、並びかけられないように押していきました。今回は不良馬場で前に行った馬のほうが有利だったことに加えて、終始マイペースで逃げられたことが勝因だと思います。
 フサイチピージェイは、外枠だったこともあってか、ラッシュストリートに競りかけていきませんでした。2周目の3〜4コーナーでも離されずについていって、最後も伸びていますが、勝ち馬と同じような脚いろになってしまいました。
 1番人気のロールオブザダイスは2周目の3コーナー過ぎで一旦置かれてしまいましたが、直線ではまた差を詰めてきました。最後は届かず3着ですが、この馬は東京大賞典でも3着に入ったように、大井のように直線が長いコースのほうが向いているのかもしれません。ダイオライト記念に登録がありますが、距離が伸びる2400メートルでも期待できそうです。


エンプレス杯JpnII

 ブラボーデイジーは、スタートでハナに立ちましたが、外からシスターエレキングが強引に行ったので2番手に控えました。ただここでは力関係もわかっているので、ブラボーデイジーにとっては逃げているのと同じです。向正面ではラヴェリータが並びかけてきましたが、ハナは譲りませんでした。ただスタートでも仕掛けて行ったわけではないですし、ずっと楽なペースで、4コーナーまで手ごたえは楽でした。そのあたりでラヴェリータの手ごたえを見て、武豊騎手は勝ちを確信していたのではないでしょうか。
 ラヴェリータは今回はスタートがよかったですが、そのぶん掛かって行ってしまいました。それでも1周目のスタンド前で、すぐ前にいたツクシヒメのうしろに入れて、少し砂を被せるような感じにすれば折り合いがついたかもしれませんが、外に出してそのまま行く気になってしまいました。2コーナーから向正面あたりでは、岩田騎手は抑えきれなくなったのか、仕掛けて行きました。おそらく一気に先頭に立とうと思ったのでしょう。しかしそれを見ていたブラボーデイジーが譲りませんでした。最後の直線、ラヴェリータが突き放すかと思いましたが、前に出ることはできませんでした。前走が1400メートルの兵庫ゴールドトロフィーで、そこでスタート後に押して行ったので、馬がそういうことを覚えてしまったのではないでしょうか。今回は折り合いがすべてだったように思います。
 ツクシヒメは、スタンド前でラヴェリータが外から掛かって並びかけてきたので、つられてやや掛かりぎみに行くことになってしまいました。ここで少し無理をしたようで、最後に3着争いからは後退して4着に敗れました。ただ1、2着と競り合って最後も粘っているのですから、この馬も力はあります。TCK女王盃でも差のない4着だったように、南関東の牝馬ではトップクラスであることは間違いありません。
佐々木竹見(ささきたけみ)

NAR地方競馬全国協会参与。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
 現在は地方競馬教養センターなどで後進の指導にあたる。
 
 
バックナンバーメニュータイトル

01
02
03
04