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さきたま杯〜帝王賞(第13回)

さきたま杯JpnIII

 スマートファルコンは今回3番手からになりました。スタート後はけっこう仕掛けていましたが、前に行けませんでした。うまく外には出しましたが、向正面に入ったあたりではかなり引っかかっていました。3〜4コーナーではすでに肩ムチを入れていたように、今回は走りっぷりがあまりよくありませんでした。それでもさすがに終いは楽でした。まだまだ余裕があったのでしょう。
 バンブーエールはスタートでやや遅れましたが、外枠だったためにじわっと好位につけることができました。こういうダッシュのあまりよくない馬は、かえって外枠のほうがいいです。
 内枠のトップサバトンもいい位置につけました。以前を考えればもう少し走っていいような気もしますが、それでも今回はよく走ったのではないでしょうか。
 アルドラゴンは向正面で一気に行きましたが、ちょっと仕掛けが早かったでしょうか。3コーナー手前あたりまで追い出しを我慢できればちょっと違ったかもしれません。
 斤量差もありますから、上位の2頭はやはり力が抜けています。


マリーンカップJpnIII

 メイショウバトラーの福永騎手は好騎乗でした。外枠もこの馬にはよかったですね。かなり行きたがっていましたが、好位につけてそのままずっと楽に行けました。今回は54キロもあって、完全にこの馬のレースになりました。
 ストーリーテリングは、地方は初めてですが、2番手のいい位置につけました。地方競馬では、やはり前に行く力のある馬が有利です。
 ヤマトマリオンはもう少し走るかと思いましたが、ちょっと太め(プラス9キロ)で、休み明けの影響だったでしょうか。次は走ってくると思いますよ。
 ユキチャンはスタートでちょっと出遅れました。トモを落とした感じでした。これで武豊騎手も仕掛けては行きませんでした。おそらく仕掛けていったら引っかかってしまうので、仕掛けなかったのではないでしょうか。差してこられる馬ではないので、外枠に入って好位からレースをしないと厳しいですね。
 パフィオペディラムは1番枠から好位に行けましたが、中央馬が相手だとちょっと厳しいですね。


関東オークスJpnII

 ラヴェリータはスタートで遅れましたが、すぐに3番手につけました。抑えきれないような手ごたえで3コーナーから行くと、直線を向いたらアッという間でした。それにしても強いですね。
 ツクシヒメは、ラヴェリータの直後、ラチ沿いのいい位置を追走しました。道中はずっと楽でしたから、直線で追い出されるとしっかり伸びてきて、アンペアを交わしました。坂井騎手の好騎乗でした。
 アンペアの的場騎手はスタートから叩いて行きました。おそらくそういう作戦だったのでしょう。ちょっと無理して行ったような感じでしたが、途中ペースをうまく落としたことで、最後まで粘りました。
 モエレエターナルは、道中はいいところを追走していましたが、直線ではあまり伸びませんでした。ローテーション的に、羽田盃まではよかったと思いますが、東京ダービーを使ってからここでは厳しいです。


北海道スプリントカップJpnIII

 ヴァンクルタテヤマは、スタートしてすぐに2番手につけました。この距離で、すぐにこの位置につけられるのは強いです。これで終いもしっかり伸びていますから、やっぱり中央の馬はスピードが違いますね。
 ガブリンも今回は早めに行きました。1000メートルという距離を考えてのことでしょう。最後は今回もよく追い込んできました。
 スパロービートはダッシュよく出ました。それにしてもダッシュがいいですね。地方の馬だけなら、この距離なら負けないでしょう。まだ4歳ですから、これからチャンスがあるでしょう。
 高知のポートジェネラルも速いですね。今回はハナには行けませんでしたが、最後、もう少し粘れるようになれば、相手次第では短距離のダートグレードでいずれチャンスがあるのではないでしょうか。


帝王賞JpnI

 ヴァーミリアンはダッシュ力もあるし、すぐにフリオーソの直後のいいところにつけました。休み明けにもかかわらず、この緩みのない流れでも楽な手ごたえで付いて行くんですから、たいへんな馬です。3コーナーあたりでは引っぱり切れないような絶好の手ごたえでした。
 フリオーソにとってみれば、ヴァーミリアンにすぐにうしろにつかれたのでは厳しいレースになりました。終いの瞬発力勝負になると、ヴァーミリアンにはどうしてもかないません。離して逃げてしまうしかないですが、そうすればおそらくヴァーミリアンも離れずについていくでしょうから、やっぱり難しいかもしれません。ただ2歳時から大きな故障もなく、ずっと一線級で走っているわけですから、たいへんな馬です。
 ヴァーミリアンとフリオーソは3馬身離れましたが、そのうしろが5馬身離れているように、この2頭だけは力が抜けています。4コーナーでは3番手以下がすでに一杯に追っているのに、2頭だけはまだ持ったままでした。それだけ力の差があるということでしょう。JBCあたりがまた楽しみですね。
 ボンネビルレコードも早めに内のいい位置につけました。持てる力は発揮しましたが、前の2頭がいかにも強すぎました。
 アロンダイトもそれほど仕掛けずに外から好位にとりつきました。最後は離されましたが、もう少し使い込んで、脚元に不安がなければ、このメンバーでももっといい勝負ができるかもしれません。
 マルヨフェニックスはスタートで落馬しそうになりましたが、(厩務員がスタートで)尾っぽを持っていたように、スタートがあまりよくないんでしょう。それでもすぐにいい位置につけました。たしかにスタートのつまづきがなければ着はあったかもしれません。
佐々木竹見(ささきたけみ)

NAR地方競馬全国協会参与。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
 現在は地方競馬教養センターなどで後進の指導にあたる。
 
 
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