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ダイオライト記念〜黒船賞(第22回)

ダイオライト記念JpnII

 フサイチセブンは強い勝ち方でしたね。スタート後は折り合いを欠いて、かなりかかっていました。ペースが落ちた1周目のスタンド前でもまだ行きたがっていて、内田博幸騎手はおそらく逃げたフリオーソのうしろに入れたかったのでしょう。それでもやはり1コーナーを回るあたりでは並びかける勢いで、向正面に入ってペースが上がってようやく折り合いがつきました。さすがにあれだけ折り合いを欠いては、4コーナーを回って一杯になるかと思って見ていましたが、直線を向いても手ごたえは楽で、追い出したら後続を突き放したのには驚きました。2000メートル以上のレースで、帝王賞あたりを使ってくるのかもしれませんが、これから楽しみです。
 マイネルアワグラスは4コーナーで外からフサイチセブンに並びかけて、この勢いなら松岡騎手は勝ったと思ったのではないでしょうか。この馬も伸びていますが、今回は勝った馬が強すぎました。
 マコトスパルビエロもスタンド前では少し行きたがっていました。大型馬で、最後に切れる脚があるわけではないので、今回のような展開はこの馬には厳しかったかもしれません。
 セレンは有力馬を前に見て、いい位置を進んでいました。ただペースが落ちたところで折り合いを欠いていたようで、先行馬がバテずにいいレースをしていたこともあって、最後は脚いろが一緒になってしまいました。
 フリオーソは、いいペースですんなり逃げましたが、最後は案外粘れませんでした。前走川崎記念ではヴァーミリアンとの接戦で厳しいレースをしたので、その反動があったのかもしれません。


名古屋大賞典JpnIII

 ラヴェリータは最内枠からのスタートで好位につけました。名古屋コースはラチ沿いを2〜3頭分空けて走りますから、逃げたラストチャンピオンのうしろでも、少し内に入れて砂をかぶらずにレースができました。2コーナーから向正面に入ったところで先頭に立ち、首をぐっと伸ばしていい形で走っています。こうなればこの馬の勝ちパターンです。前走のエンプレス杯では好位で折り合いを欠いて2着に負けてしまいましたが、今回は首の使い方がすごくよかったですね。1番枠からのスタートで、理想的なレースができました。
 アドマイヤスバルは、1周目のスタンド前ではラヴェリータのすぐうしろにいましたが、1〜2コーナーを回るあたりで少し置かれてしまいました。ゴール前ではいい脚で差を詰めてきましたが、今回はラヴェリータにあまりにもいいレースをされてしまいました。
 向正面に入って2番手に上がったラッシュストリートは、3〜4コーナーでラヴェリータを追っていきましたが、このあたりで手ごたえは一杯でした。
 マルヨフェニックスもよく走っていますが、前に有力馬を見る形で、このメンバーを相手に中団から追いかける展開では厳しいでしょう。


黒船賞JpnIII

 スーニは外枠からのスタートで、前に行く馬を行かせて絶好の位置につけました。スタートから息の入らない展開で、59キロでも最後は完全に突き放していますから、強いレースをしますね。1600メートルくらいまでなら、これからもこうした強いレースを見せてくれるのではないでしょうか。
 トーセンブライトは中団よりうしろを追走していましたが、最後はよく伸びてきました。この馬の末脚は切れますね。
 ミリオンディスクは終始内々を回って、一番ロスのない競馬をしていました。4コーナーではスーニに外から並びかけられて、ちぎられてしまいましたから、これは力の差でしょう。
 ヴァンクルタテヤマはスタートで躓いて、外に飛んでいくような格好で出遅れてしまいました。本来はもっと走ってもいい馬ですが、今回はスタートが残念でした。
佐々木竹見(ささきたけみ)

NAR地方競馬全国協会参与。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
 現在は地方競馬教養センターなどで後進の指導にあたる。
 
 
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