Web Fulongトップページレースハイライト特集クローズアップ連載サイトマップ
連載

かきつばた記念〜さきたま杯(第24回)

かきつばた記念JpnIII



 スマートファルコンは、好スタートからハナに立ちました。2〜3番手からでもレースはできますが、この馬はハナに行ったほうが強いレースをします。長い距離よりも、このくらいの距離のほうが折り合いもついてレースがしやすそうです。休み明けにもかかわらず、強いレースでした。
 スーニは59キロの斤量もあったかもしれませんが、スマートファルコンとは1キロ差ですから、同じ斤量でも逆転できたかどうかは難しいところでしょう。この馬も持てる能力は発揮していたと思います。
 4着まで中央が独占しましたが、この2頭の力が抜けていて、地方の馬ではちょっとかなわない感じです。



兵庫チャンピオンシップJpnII



 勝ったバーディバーディは、まずまずのスタートでもすぐに控えて、前からは離れた4番手を追走しました。前で競り合った2頭はそれほど飛ばしているようには見えませんでしたが、早めに後退したところを見ると、やはりハイペースだったのでしょう。バーディバーディは向正面でほとんど馬なりのままあっという間に先頭に立ってしまいました。4コーナーあたりでは少し追っていましたが、直線半ばからは完全に抑えていました。この馬はちょっと格が違いますね。ジャパンダートダービーに出てくれば本命になるでしょう。
 直線追い込んで2着に入ったサンライズクォリアは、縦長の中団を追走していました。ペース的にはこのあたりがいい位置取りだったのかもしれません。
 3着に入った地元のフィオーレハーバーも、2着のサンライズクォリアと同じような位置を進みました。さすがに地元の木村健騎手だけあって、このあたりはペースをよく読んでいたと思います。



かしわ記念JpnI



 エスポワールシチーは、フリオーソを前に見て3番手からでした。この馬は前に行く競馬も、控える競馬もできるのが強みです。上がり3ハロン36秒1もたいへん優秀です。今回は状態があまりよくなかったそうですが、強い競馬を見せてくれました。
 フリオーソは、ポートジェネラルが行くのはわかっていますから、その2番手を追走しました。直線を向いても先頭でしたが、最後は、エスポワールシチーとはさすがに力の差がありました。
 サクセスブロッケンは、直線で案外伸びませんでした。この馬は休み明けのここを使って、狙いは次でしょう。帝王賞あたりに出てくればおもしろいのではないでしょうか。
 6着のセレンは、あまり見せ場がありませんでした。勝った馬が強かったということもありますが、この馬はもう少し長い距離のほうがいいでしょう。



さきたま杯JpnIII



 スマートファルコンは、あまり仕掛ずに行きましたが、今回はかなり行きたがっていました。それでも今回は外枠に入って、すぐ内にいた2頭が競り合うように前に行ってくれましたから、その直後につけてスムーズにレースができました。向正面ではスーニが一気に来て、一旦は前に出られましたが、すぐにスパートして3〜4コーナーでは再び前に出ました。こうなればこの馬の勝ちパターンです。今回は枠順にも恵まれたぶん、楽に勝つことができました。
 対するスーニは、逃げ馬2頭の内の枠で、一旦下げてから外に持ち出すというロスがありました。向正面で早めに仕掛て一気に行ったのは、前回のかきつばた記念と同じようなレースではスマートファルコンに勝てないと思ったからでしょう。あそこで行ききってしまえば勝てたかもしれませんが、さすがに相手もそれを許してくれませんでした。スマートファルコンと枠順が逆であれば、もしかしてチャンスはあったかもしれません。
 ノースダンデーはゴール前でよく追い込んできましたが、惜しくもスーニには届きませんでした。浦和コースでは実績があるので、力を発揮しました。
 トウホクビジンは、うしろのほうから行って、最後の直線はよく伸びてきました。相手関係を考えれば、よく走っていると思います。



佐々木竹見(ささきたけみ)
NAR地方競馬全国協会参与。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
 現在は地方競馬教養センターなどで後進の指導にあたる。
Back Number

オススメの逸品 佐々木竹見の見解 気になるあの馬は… REWIND 90s