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連載

白山大賞典〜エーデルワイス賞(第29回)

白山大賞典JpnIII



 パワーストラグルは内の3番手、絶好の位置につけました。3〜4コーナーでジャングルスマイルを交わしていくときの手ごたえが楽で、かなり余裕がありました。これからもダートグレードに出てくるようなら楽しみですね。
 ジャングルスマイルは積極的にハナに行きました。向正面で仕掛けましたが、タイミングが早かったかもしれません。もう少し引きつけてから追い出してもよかったのではないでしょうか。勝ち馬に交わされるあたりから追い通しでしたが、それでも最後までよく粘りました。仕掛けのタイミングはともかく、馬場がかなり悪く、内枠で包まれたくなかったでしょうから、思い切って逃げたのは正解だったと思います。
 1番人気のコスモファントムは、向正面までは手ごたえがよかったですが、ペースが上がったところでついて行けませんでした。馬場が影響したのかもしれません。



東京盃JpnII



 サマーウインドはスピードがあります。スタートはあまりよくありませんでしたが、他の馬の騎手が必死に手を動かして先行争いしているのに対して、この馬だけはほとんど仕掛けずに馬なりで先頭に立ってしまいました。JBCスプリントは1000メートルになりますが、このスピードなら最有力でしょう。
 ヤサカファインは無理には先行争いに加わらず、じっと我慢してラチ沿いを追走しました。直線でも前が開いたところを突いて、うまく内から伸びてきました。もう少しで勝ち馬を交わせそうなところでしたが、4コーナーで内を突いてくるなど、石崎駿騎手はうまく乗りました。
 ナイキマドリードもサマーウインドの2番手でよくついて行きました。最後はミリオンディスクにも交わされて4着でしたが、よく粘っていると思います。この馬も今後が楽しみです。
 スーニは道中追走に一杯という感じで、直線でも見せ場がつくれず案外な結果でした。



マイルチャンピオンシップ南部杯JpnI



 オーロマイスターは、逃げたセレスハントの外、すんなりと2番手につけました。直線ではエスポワールシチーに一旦は並びかけながらも3馬身離しました。稍重でしたがレコードですからね、今まで重賞は勝っていませんでしたが、強い勝ち方でした。JBCクラシックでも勝負になるのではないでしょうか。それにしても中央は次から次へと強い馬が出てきますね。
 エスポワールシチーは、目標がブリーダーズカップで、今回は太め残りの仕上げだったこともあるのでしょうが、やっぱり強い馬は思い切って行ってほしかったです。ダッシュ力があるので、なおさらです。セレスハントより外枠に入っていれば行ったのかもしれません。ただこの枠でも行く気になれば行けたと思いますが、内で3番手に下げてしまいました。4コーナーでも、内からすぐに抜け出してしまえば勝ち負けになったと思いますが、勝ち馬に外から先に行かれてしまいました。一旦は並びかけるところまで行きましたが、逆に突き放されました。かしわ記念のときも3番手あたりからのレースで勝ちましたが、あのときはハイペースでした。掛かって行く馬ではないので、もう少し積極的に行ってもよかったと思います。
 高知のグランシュヴァリエは、4コーナーでは先頭に立とうかという勢いで、うまく乗ったと思います。このメンバーで3着はよく走りました。



エーデルワイス賞JpnIII



 1200メートルだけに、テンが少し速くなりましたが、やはり前につけた馬での決着となりました。勝ったリアライズノユメは、これまで芝しか使われていませんでしたが、父がアフリートだけにダートでも対応できたのでしょう。レコード勝ちでもあり、牝馬同士の短距離戦なら今後もトップを争う存在ではないでしょうか。
 地元ではマツリバヤシが2着に好走しました。勝ち馬をマークするように追走できたのが、よかったのではないでしょうか。
 人気のクラーベセクレタは4着、マニエリスムは8着と残念な結果でした。流れに乗れない感じで中団からになってしまったので、展開的に厳しかったのかもしれません。



佐々木竹見(ささきたけみ)
NAR地方競馬全国協会参与。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
 現在は地方競馬教養センターなどで後進の指導にあたる。
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