Web Fulongトップページレースハイライト特集クローズアップ連載サイトマップ
連載

TCK女王盃〜佐賀記念(第33回)

TCK女王盃JpnIII



 ラヴェリータ(ミルコ・デムーロ騎手)は3番手の外につけました。2コーナーをまわるあたりまではペースがかなり遅かったですが、向正面で動いてペースが上がりました。ただ3コーナーあたりでは弟(クリスチャン・デムーロ騎手)のザッハーマインに進路を譲るような感じで位置どりを一旦下げましたから、相当余裕があったんだと思います。道中は砂を被らないように外をまわっていました。57キロでもミラクルレジェンドとの叩き合いを制したのは、さすがに強いですね。
 ミラクルレジェンドは5番手あたりで、中央の他の有力馬を前に見る位置を進みました。直線を向いたときに前3頭が壁になって、さらに外にはラヴェリータがいて、一瞬ですが出られない場面がありました。すんなりと前に出られていれば勝てたということもないかもしれませんが、ラヴェリータと互角の勝負ができるだけの力があるところは見せました。
 ザッハーマインは、今回はスタート後は4〜5番手に控えて、3コーナー手前あたりで先団に並びかけて行きました。直線で一旦は先頭に立ちましたが、結果は4着でした。力的な差はそれほどありません。それにしても外国から連れてくる騎手はうまい人が多いですね。



佐賀記念JpnIII



 武豊騎手のメテオロロジストは、スタートこそあまりよくありませんでしたが、無理に仕掛ることもなくハナに立ちました。道中は耳を立てて走っています。折り合いがついて、それだけ馬に余裕があったということでしょう。こうした長い距離で淡々とした流れのレースは前に行ったほうが圧倒的に有利です。向正面でマカニビスティーが並びかけてきてペースが上がりましたが、メテオロロジストもそれに合わせて仕掛けました。佐賀は直線が短いですから、4コーナーで先頭にいれば、あとは勢いでゴールまで行けます。まだ4歳ですから、これからが楽しみです。
 アドマイヤスバルは57キロが影響したかもしれません。小牧太騎手もハナに行くつもりはあったかもしれませんが、メテオロロジストより外枠だったので、無理には行きませんでした。ずっと2番手で、ゴール前で差を詰めてはきたのですが、交わすまではいきませんでした。
 マルヨフェニックスは4着でした。いい感じで中団を追走していたと思うのですが、なかなかあそこから追い込んでくるというわけにはいきません。ペースが速くなれば最後に差してくる展開になるかもしれませんが、この距離でゆったり流れていたので、この馬には厳しいレースになりました。
 マカニビスティーは、東京ダービーを勝った馬ですが、その後はなかなかいいところがありません。中団追走から1〜2コーナーで一気に先団にとりついたところはよかったのですが……。3〜4コーナーあたりまでは手ごたえもよかったのですが、直線はまったく伸びませんでした。


佐々木竹見(ささきたけみ)
NAR地方競馬全国協会参与。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
 現在は地方競馬教養センターなどで後進の指導にあたる。
Back Number

オススメの逸品 佐々木竹見の見解 気になるあの馬は… REWIND 90s